『ベン・シャーン展』
明日(3月11日)からジンジャー・ビレッジでやります。
写真、絵画、グラフフィック・アートを駆使して表現する「クロスメディア・アーティスト」。
いい肩書きだ。写真、農業、林業、狩猟、料理、バーテンダーと雑食な僕も名乗ろうかな。
僕の自家焙煎コーヒー豆で淹れるフラットホワイトと、僕のNoWARフォトが縁で、うちの店におすすめアートを持ってきてくれるオージーの美術商。ブーメランパンツで足ひれをつけて波に浮かぶ初老のオーストラリア人サーファーだが、いつも骨太なアートを紹介してくれる。
今回、彼が持ってきたのが「ベン・シャーン」。
禁酒法、世界恐慌の時代に、ニューヨークで左翼芸術家、社会活動家として活躍したアーティストだ。ベン・シャーンは、アメリカの雑誌で「第五福竜丸」記事の挿絵を描いたことをきっかけに、原子力にも向き合い「ラッキー・ドラゴン」という作品も発表している。1960年には来日もはたした。
明日は、3.11。
7年前、未曾有の大津波が福島第一原発の冷却機能を停止させた。2011年3月11日前までは、絶対に起きない事とされ口にするのも憚られる悪魔の言葉「メルトダウン」が、事故から数ヶ月後に「起きてました」とあっさりと事後報告された。
添付の写真は僕が撮った南三陸町の被災後の写真。
フランス南部ペルピニャンで毎年開催される世界最大規模の写真ジャーナリズムの祭典「ビザ・プール・リマージュ2011」に「日本人カメラマンが撮った震災の写真50枚」として、出展したもの。
種子島に来て、農業を始めたり林業や狩猟に顔を突っ込んだりと、カメラ以外の道具を持つ機会が増えたけど、表現したい事は、実は変わっていない。
僕も311で人生が変わった人間の一人だし「あれで変わらないなら人間やめたほうがいい」と、人間の「人間性に希望を持ちたい」一人です。
明日からはベン・シャーンの作品と、僕の撮った震災、原発事故関連の写真も数展展示しようと思います。ハッピーなテーマではないですが、「ドラゴン」が再び火を吹く事がないように、祈りの展示としたいと思います。