家畜も野生肉も「何でもまかせろ!」
種子島で随一の技術を誇るお肉屋さんに、野生鹿の食肉処理を教わってきました。
今までは猟師に教えてもらった、猟師的な解体方法で獲った鹿を捌いていた。
一度、お肉のプロに食肉処理を教えて仕事を教えてもらいたいと考えて「島の肉ならなんでもまかせろ」のお肉屋さんに、お願いしていたこと。
一年以上前から「いつでも来い」と言っていてくれて、今回、タイミングよく鹿がかかったので、ようやくその機会をようやく設けられた。
ここのお肉屋さんは「ただのお肉屋さん」じゃない。
黒豚の養豚から黒毛和牛の繁殖農家までこなし、自分で育てた黒豚を自分で〆て、解体して、各部位に切り分けて商品にする「お肉屋さん」。
そもそもスーパー以外のいわゆる「お肉屋さん」が無くなりつつある時代に、ここまでやっているお肉屋さんは、とっても稀有な存在。
島に来て出会えてよかった。
鹿の解体でも家畜の解体でも、いちばん大切なことは「内臓を傷つけないこと」。
今回は、内臓を丁寧に取り除く方法として、寝かせて腹を開く方法を教えてくれた。
写真のように、腹を上にして作業ができるV字底の作業台を作るといいらしい。
肛門をナイフで外側から丸く切っておいて、首から肛門まで、毛皮に縦の入り込みを入れる。その縦の線と十字に交差するように、腕と足の毛皮にも切り込みを入れて、腹側の毛皮を剥がしていく。
皮が剥けてたら、首元から食道を腹の方へ向けて出していく。この時、胸骨が邪魔になるけど、これは縦引きのノコギリで三角にカットするといいらしい。胸骨は軟骨なので、軒先解体では手斧で縦に割って開いていたけど、この方がより開きやすく丁寧に作業できる。
あとは、お腹の皮を内臓を傷つけないように慎重に、肛門まで開いていく。
うまく開けたら、食道を掴んで、肛門側に向けて内臓を出していく。横隔膜など助骨と内臓をつないでいる膜を適宜ナイフでカットしながら進めていけば、内臓すべてが連なって外れてくれる。
このあとは清潔な水で流して、鹿を反転させて、背側の皮を剥がしていく。
内臓を出してからは、足側を上にしてY寺に吊るして作業をする方がやりやすいといいますが、今回は寝かしたまま。
セロースは肋骨を外しながら、腹側から取り出す。
「鹿肉が固いんじゃなくて、処理が下手なだけ」。お肉屋さんはこのように丁寧に筋取りをしているので、買ったお肉は噛み切れるんです。推定年齢1歳程度の小さなオスの個体だったので、バラ肉はこの程度の薄さ。小さくて作業しずらい個体でしたが、細かい作業を実演してれた。
鹿肉も丁寧に扱えば上等なお肉に生まれ変わる。
次回は吊るした解体方法を学びます。