明けましておめでとうございます。
昨年、年齢的に「最後」ということで挑戦した某料理人コンペ。
ドキュメンタリー系の写真家が種子島に住んで、野菜や米を作ったり、魚や鹿を狩猟したり、山に分け入り絶滅危惧種の五葉松の保全活動をしたり、カフェやレストランを経営したりと文字通り「体当たり」で10年活動した成果を、お皿に表現した。
世界人口100億人が目前で、来るべき食糧危機への提言「昆虫食」まで盛り込んだ。
個人的には「土のスープ」で有名な世界的サステナブル・シェフにも劣らない一皿で「優勝!」と思ったけど、結果はカスリもしなかった。
それでも挑戦したことによって、自分が進むべき道を考えるいい機会だった。
フードロス、環境、貧困、格差社会などなど。社会的課題に料理で挑むシェフが注目される時代。
フォト・ドキュメンタリーを追求してきた自分は、いわば僕は逆コース。
シェフではないし、この10年で写真家の枠も飛び出してしまった。
表現方法なんて、なんでもいい。
何を表現したいかを追求する。
今年も挑戦。世界を描くことを楽しむぞ。
I’m still young!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コンペに出したタイトルと説明文はこんな感じでした↓
タイトル『サステナブルとは何か?』
(400字制限の料理説明)
鹿のスペアリブに、海水で煮出した鹿の脂を塗り、松の薪で燻し焼きにした。桑の実ソースと月桃の実をスパイスで。マツクイムシの蛹は蒸した後、鹿の脂をかけている。全て、自ら狩猟採取した種子島の食材だ。鹿の「旬」は、脂がのった夏前だ。本来は禁猟期だが、今は、荒廃した山から人里まで降りてきた鹿が「獣害駆除」として、味わえる。「あぶら」とは何か。石油は生活を楽にしたが、同時に争いも起こした。食用の「あぶら」は、人体にとって不可欠だが、和牛やマグロの「サシ信仰」は、地球環境に負荷をもたらしてはいないか。お皿に添えられた「マツクイムシ」は、里山から都市に人々が移り住み、石油経済が主流になった70年代以降、爆発的に広がった「松がれ」を起こす虫だ。害虫とはいえ、松の幹だけを食べて育った体には、クリーミーな脂を蓄えている。国際連合食糧農業機関(FAO)は、食糧問題の解決に、栄養価の高い「昆虫食」を推奨している。